家族の力で、拒食を乗り越える
- StartLine Writer
- May 23
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「家族の力で、拒食を乗り越える」(マリア・ガンシー 著、井口敏之、岡田あゆみ、荻原かおり 監修・監訳、荻原かおり 訳)は、拒食症に苦しむ方々とその家族に向けた実践的なガイドです。著者マリア・ガンシーは、拒食症の治療において家族のサポートがいかに重要であるかを強調し、海外でエビデンスの高い新たな治療法として認知されている「Family Based Treatment (FBT)」の概要と進め方を紹介しています。
拒食症は身体的だけでなく、精神的にも深刻な影響を及ぼす病気です。患者本人だけでなく家族全体がその影響を受けます。著者は、家族が拒食症の理解を深め、どのようにFBTを進めたよいのか、そして患者とのコミュニケーションを改善する方法を紹介しています。さらに、実際のケーススタディを通じて、家族が直面する困難や挑戦に対処するための具体的な戦略が示されています。
監修者の井口敏之氏、岡田あゆみ氏、荻原かおり氏の専門的な視点も加わり、日本における適用の注意点や、日本人向けにアレンジされた食事メニューなども記載されており、日本人にとっても読みやすく、信頼性の高い内容となっています。
この本は、拒食症に対する理解を深め、FBTの手法を取り入れ、家族全員が一丸となって取り組むための一冊としておすすめです。拒食症の患者とその家族が共に回復の道を歩むための貴重なガイドとして、多くの人々に役立つことでしょう。
第1章 神経性やせ症を理解する
SECTION1 神経性やせ症とは?
SECTION2 神経性やせ症の身体への影響
第2章 Family Based Treatment(FBT)を理解する
SECTION3 FBTとはどんなもの?
SECTION4 治療チーム
第3章 子どもの再栄養について
SECTION5 子どもの再栄養への取り組み
SECTION6 食べ物は回復のための薬/食事と間食の計画表の例
ある母親の回想① 再栄養の苦悩を振り返って~9歳の神経性やせ症の患者さんの母親の手記~
SECTION7 体重増加を妨げる問題行動
第4章 FBTにおける両親の役割
SECTION8 両親が結束すること
SECTION9 子どもへの接し方
SECTION10 子どもの苦痛を和らげるために親ができること
ある母親の回想② 再栄養の際に活用した,娘の注意をそらすための方法~14歳の神経性やせ症の患者さんの母親の手記~
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